ひざの痛みとは

ひざの痛みとは

ひざの痛みの多くは関節に起因します。膝関節は曲げ伸ばしのみを行う構造ですが、股関節や足関節と同様、体重を支える役割を担うため、加齢や過度の運動により痛みが生じやすい部位です。

ひざの痛みの主な原因は変形性膝関節症ですが、関節リウマチや感染性関節炎なども痛みの原因として挙げられます。さらに、関節以外では、スポーツによる半月板損傷や靱帯損傷も痛みを引き起こす要因となります。

ひざの痛みを訴える方には、問診や触診、歩行状態の確認を行い、レントゲン検査で骨や軟骨の状態を確認します。

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半月板損傷

半月板は、膝関節にかかる荷重を分散する役割を持つ線維軟骨で、膝の内外にあり三日月形をしています。体重がかかった状態で捻る動作をすると、損傷することがあります。

主な原因は、スポーツ中のケガや加齢による変性で、少しの外力でも損傷が起こることがあります。先天的な円板状半月板も、損傷の要因となることがあります。

主な症状は、膝の痛みや曲げ伸ばし時の引っかかり感、可動域の制限で、進行すると水が溜まることやロッキングが起こることがあります。膝靱帯の損傷を伴うこともあります。

治療は、RICE療法で痛みや腫れを抑え、軽度の場合は装具やテーピングで固定します。リハビリでは大腿四頭筋の強化訓練を行い、損傷が重度の場合は手術療法(切除術や縫合術)を選択します。

膝靱帯損傷

膝に強い外力が加わることで靱帯が断裂する状態を膝靱帯損傷と言い、主にスポーツや交通事故で発生します。膝靱帯は4つあり、完全または部分的に損傷した場合にこの診断がなされます。

主な症状は、受傷後すぐに膝の痛みや腫れが見られ、可動域が制限されます。これらの症状は通常3週間ほどで軽減しますが、その後膝の不安定感が出ることがあり、この状態を放置すると半月板や関節軟骨にも損傷を引き起こすリスクが高まります。

治療にはRICE療法を行い、その後は装具やサポーター、テーピングで固定します。また、動かせる範囲で膝を動かし、固定解除後は筋力トレーニングを実施します。保存療法で改善が見られない場合や、スポーツに支障が出る場合には手術療法が検討されます。

オスグッド病

オスグッド病は、成長期(10~15歳)の男子に多く発症し、サッカーや陸上競技、バレーボールなどのスポーツがリスク要因となります。

主な症状は、膝蓋骨と脛骨をつなぐ膝蓋腱の脛骨側に痛みや腫れが生じ、脛骨粗面が隆起することがあります。成長が止まる14~15歳頃には自然に治癒する一過性の疾患です。

治療は、運動量を減らし、大腿四頭筋のストレッチや冷却マッサージを行い、必要に応じて消炎鎮痛薬の外用薬を使用します。